教育

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2021.05.17

経営学部の学生が環境イシューの解決に挑戦。 SDGs IDEA FORUMで特別賞を受賞!

2021年2月28日、名古屋市が実施する「SDGs IDEA FORUM 2020」が名古屋市立大学で開催されました。このフォーラムは、SDGs未来都市に選定された名古屋市のSDGsに関わる地域課題に対し、学生が解決策を提案するというプロジェクトです。名古屋市内の大学・短大から82件の応募からあり、一次審査を通過した8チームがコンテストでプレゼンテーションを行いました。

東海学園大学からは、経営学部・井上ゼミ2年生チームがコンテストに出場しました。そのメンバーは、稲垣有里乃さん、大藪真麻さん、荻野真帆さん、安江涼香さんの4人です。「名古屋をリサイクル先進都市に」という課題に対して、「TSUNAGU〜リサイクルと職人技術〜」というアイデアを提案しました。繊維製品のリサイクルに地域の伝統工芸を活かすという新しい視点が評価され、「特別賞」を受賞しました!

3年生となった4人と、ゼミの担当教員・井上和久先生(経営学部 助教)とともに今回の活動を振り返り、学んだことや今後の学修への抱負などを伺いました。

チームで地域課題と向き合う。

編集部:みなさん、特別賞受賞、おめでとうございます!

学生たち:ありがとうございます!

編集部:このフォーラムに参加したのは、どんなことがきっかけだったんですか?

井上先生:経営学部では、1年次から4年間「総合演習」という少人数制のゼミナールが開講されており、学生が主体となった研究・学修に励んでいます。そこで、ゼミにおける研究活動をより深化させ、自分たちの問題意識に基づき、「SDGs IDEA FORUM」に応募してみようということになりました。

大藪さん:私は、世界的にも重要なテーマになっている「SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)」について、改めて、調査してみました。

安江さん:今、社会的に問題になっていることを知りたいし、知っておいた方が自分にとってプラスになるかなと思いました。

編集部:テーマはどうやって決めたのですか??

稲垣さん:SDGsのみならず、気候変動を含め、IPCCやIEAなど国際機関の公表資料、さらに行政セクターの発表資料や、企業セクターのサスティナビリティレポートなど、多くの先行文献を読み、SDGsへの理解を深めました。

安江さん:その後、グループで、自分たちに身近な課題についても話し合いました。それから、それぞれの意見をもとに、課題解決のアイデアをまとめていきました。

大藪さん:私たちは普段、名古屋の大須で古着を買うことが多いんですが、「これもリユースだよね」って気づいて。自分たちの好きなことならうまくできそうな気がして、そこからテーマを「衣類のリサイクル」に絞り、名古屋の地域課題と結びつけていきました。

井上先生:2年生になって間もない2020年4月には、新型コロナウイルス感染症対策のため、緊急事態宣言が発出され、5月までリモートによる学修が中心的でした。そんな中、自分たちの興味から掘り下げて、研究を進めていましたね。

稲垣さん:対面授業が可能になってからは、PBLとしてディスカッションをたくさん行い、さらに何でも話し合える環境づくりがされました。

荻野さん:ゼミは、和気あいあいとした良い雰囲気だと思います。だから、それぞれが積極的に意見を出しやすくて、議論が活発になるんだと思います。

先生のアドバイスから、さらにアイデアを広げる。

編集部:テーマを「衣類のリサイクル」に決めた後は、どんなふうに進めていったのですか?

荻野さん:フォーラムへのエントリー開始が2020年7月だったので、本格的に動き出したのは夏からです。8月から11月にかけては、文献調査やフィールドワークなどを実施しました。そこから、自分たちのアイデアをブラッシュアップして、アイデアを提出したのは2021年1月でした。

大藪さん:提示された地域課題の1つが「名古屋をリサイクル先進都市に」だったので、私たちはこの地域で盛んだった繊維産業に着目して、衣類のリサイクルのアイデアを詰めていきました。まず調査したのは、名古屋市の衣類・布類のリサイクルの現状です。約9割がゴミとして焼却処分されていることを知り、驚きました。

編集部:ほとんどリサイクルされていないんですね!それはもったいない!

安江さん:リサイクルやリユースの量を増やすために、まず考案したのがショッピングサイトの構築です。服のリメイクを気軽にオーダーできるプラットフォームがあるといいなと思ったんです。リメイクには、名古屋の伝統工芸「友禅染」や「しぼり」の職人の技術も生かせます。名古屋の繊維産業の振興にもつながると考えました。

編集部:後継者問題を抱える伝統工芸に着目したのもいいですね。

稲垣さん:名古屋の伝統工芸と結びつけるのは、井上先生のヒントがきっかけでした。「コロナ禍でさまざまな産業が大変な今、地域活性化や人と人をつなげることができないかな?」という問いかけに、ハッとしたんです。

大藪さん:ショッピングサイトの案以外に、不要になった衣類をキルト生地に再利用するという案も同時に考えていました。いろんな衣類を裁断してつなぎ合わせると、カラフルでかわいい感じに仕上がるかなって。それには名古屋で培われた縫製や刺繍の技術が生かせると考えました。

稲垣さん:ショッピングサイト案とキルト案、もともと別物として考えていたんです。井上先生から「その2案、つなげられるんじゃない?」とアドバイスをいただいて、アイデアが一気にまとまっていきました。そして、1月、「TSUNAGU〜リサイクルと職人技術〜」というタイトルで提案しました。

安江さん:少子高齢化が進む今、退職された職人の方々も多いから、そういう方たちも楽しめるというか、副業としてもできるんじゃないかなって。

編集部:SDGsには17の目標と169のターゲットがあるから、すごく広がりがありますよね。それを、みなさんは今回の取り組みを通して体感したのですね。

一次審査通過に、喜び&驚き!

編集部:1月に一次審査を通過した後、2月のコンテストでプレゼンテーションしたんですよね。準備は大変でしたか?

安江さん:大変でした。パワーポイントでプレゼン用資料を作成したんですが、最初は、文字だけになってしまって。伝わらなかったらどうしようという不安から、あれもこれも詰め込みすぎてしまったんですね。

編集部:レポートみたいな?

安江さん:そうです、文字ばっかり(笑)。

編集部:聞き手の立場になって、わかりやすい資料をつくることは難しいですよね。良い学びになったんじゃないですか?

安江さん:はい!他大学で動画を使っているチームもあって、資料のデザインも見やすくて要点がわかりやすかったですね。私たちももっと改善していかないといけないなって刺激を受けました。

荻野さん:一次審査を通過するなんて思っていなかったんです、実は。名古屋大学、名古屋市立大学、南山大学などのチームが数多く参加していましたから。まさかコンテストに出場して、プレゼンテーションすることになるなんて、びっくりでした。

稲垣さん:私もコンテスト出場と聞いて、嬉しかったですけれど、同時に「えっ、どうしよう!?」という気持ちもありました(笑)。自分たちの力を出しきってアイデアを提案できたから、それだけでも満足だったんです。

大藪さん:コンテストは2月で、もう授業期間が終わっている時期。だから、4人で集まって練習する機会がほとんどなくて、ぶっつけ本番に近い形でした。

稲垣さん:準備不足だったなって、悔しさもあります。それでも特別賞をいただくことができて、チームのみんなと喜び合いました。

悔しさも、成長の力に変える!

編集部:チームみんなで達成感や喜び、悔しさなど、いろんなことを共有できたんですね。この経験を、今後にどう生かしたいと思っていますか?

大藪さん:特別賞はいただけたものの、最優秀賞を取ることができなくて、ちょっと残念だなというのが本音です。予選の時点では選ばれると思っていなかったけれど、やっぱり悔しい。だから、もっといろんな知識や力を身につけたいって、向上心が高まる良い機会になりました。SDGsについても、長い時間をかけて学べたので良かったなと思います。これからの学びに役立てていきたい!

安江さん:ショッピングサイトの案は、家でSDGs IDEA FORUMについて父と話していて、生まれたアイデアです。そのとき父が冗談まじりで「起業したら?」といっていたんですけど、今は私自身、起業という道もアリかなって思っています。今回、自分たちでアイデアを形にしていくおもしろさを実感して、将来の選択肢が広がりました。そんな新しいチャレンジを、今後もしていきたいですね。

稲垣さん:今回、アイデアは良かったと思うんですけど、やっぱり発表が、自分の中で反省点がたくさんありました。他大学のチームは、プレゼンに慣れていたのかわからないですけど、話し方も惹き込まれるような感じで、内容も聞きやすくて、すごいなって思いました。私も資料のまとめ方やプレゼンテーションについてもっと学んで、“伝える力”を磨いていきたいと考えています。

荻野さん:私は人前で話すことが苦手だったので、コンテストのとき、すごく緊張しました。審査員の方とか他大学の人とか大勢が見ている中で、自分一人が話すなんて、初めてのことでした。振り返ると、本当に貴重な経験ができたなって、仲間に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも苦手なことにも積極的に取り組んで、自分を成長させていきたいと思います。

井上先生:学生のみなさんは、いろんなことに興味を持ち、積極的に学び、斬新なアイデアの種も持っています。それらを実社会でのアクションにつなげていく、そんな力を身につけることができたんじゃないでしょうか。今日、みなさんのお話を聞いて、社会とつながる学びの場を今後も増やしていきたいとあらためて思いました。

編集部まとめ

SDGs達成に向けた私たち一人ひとりの取り組みは、未来を生きる人々への贈り物になります。これからの時代を担う学生たちがグローカルな課題の解決を真剣に考え、その取り組みを通して大きく成長していくこともまた、よりよい未来につながる一歩なのでしょう。そんな機会を学生たちに提供し、挑戦を後押しする井上先生。アクティブラーニングの実践や経営学部の教育への熱意にあふれていて、それが学生たちの向学心を刺激していると感じました。稲垣さん、大藪さん、荻野さん、安江さん、井上先生、ありがとうございました!