“私と先生”

エピソード5

Scroll Down

広く深い世界へ
誘ってくれた先生。

人文学部 人文学科4年生/鳴海高等学校 出身

牧野 隼士

文学の本当の面白さに出会うきっかけ。

高校生の時、自分の人生を決定づけるような出会いがありました。それは、国語を教えてくれた先生です。私はもともと読書が好きでしたが、ストーリーを追うような読み方で満足していました。そのせいか、教科としての国語はあまり得意ではなく、とくに読解問題に苦手意識がありました。しかし先生から、登場人物の心情を深く掘り下げる読み方を教わり、一気に読書に対する意識が変わりました。登場人物の心情を推し量れるようになると、物語への理解も一気に深まり、本を読むことがもっともっと楽しくなりました。
また、近代から現代まで、時代にとらわれずさまざまな作品を紹介してくれました。芥川龍之介や中島敦、住野よるの作品に出会えたことは、とくに感謝しています。

文化祭当日も、小論文を添削!

先生は熱心で親しみやすい方で、大学進学を考えるときも大変お世話になりました。東海学園大学の入試では小論文が課されますので、事前に何度も添削してもらいました。高校の文化祭当日も、教室の隅っこで添削してもらったことを覚えています。
また現在、司書教諭の資格取得をめざしているのも先生の影響があるからです。先生自身が司書教諭の資格を取得していたこともあり、高校1年生の時の進路相談で司書教諭とはどのような仕事か、どのような勉強をすればよいのか、具体的なアドバイスをたくさんもらいました。無事に資格を取得して、先生のところへ報告に行くことを楽しみにしています。

源氏物語をより深く研究するために。

現在ゼミでは、世界最古の長編小説といわれている「源氏物語」の研究をしています。登場人物の心情はそれほど詳しく描かれているわけではありません。生活様式も現代と大きく異なります。この場面で、登場人物はなぜこの言葉を発したのか、自分の想像力で補完しながら読み解いていくという作業が必要になります。しかし、高校生の時、先生に文学との向き合い方、物語の掘り下げ方を教わった私は、ここに文学の面白味を感じることができるようになっていました。
人の心を思う、それはそのまま相手を思いやる優しさに変換することができます。私は先生の教えを通して、本の読み方以上に、人と人との関わり方の本質を学べたような気がしています。

Page Top