“私と先生”

エピソード6

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答えより、
プロセスに価値がある。

心理学部 心理学科2年生/富田高等学校 出身

室岡 花音

ずっと見守り続けてくれた先生。

私には高校時代、とてもお世話になった先生がいます。所属していたバトントワリング部の顧問で、私は部長を務めていた関係上、たくさん相談にのってもらいました。部長という立場は、部のみんなをまとめなくてはなりません。どうやってチームを引っ張っていけばいいのか悩むこともありましたが、先生は常に私を見守るというスタンスで接してくれました。口を出したくなる場面もあったかと思いますが、それでも先生はいつも、私に自分で考えることの大切さを説き続けてくれたのです。

大会出場か、否か。2つに別れたチームの行方。

高校2年生の時、全国大会の予選を前にチームは2つに別れてしまいました。しっかり練習をして予選に出場したいという意見と、勉強時間の確保を優先して出場を辞退するという意見でした。もちろん、中途半端な演技で大会に臨みたくない、それはみんなの一致した意見です。勉強と部活のバランスをどのように取ればいいのか、なかなか答えが出せないでいた私は、先生にアドバイスを求めました。しかし、先生の答えは「自分たちで考えて、決めなさい。話し合うことが大事だよ」というものでした。
出場したい人の気持ちも、勉強との両立に不安を抱える人の気持ちも、それぞれよくわかります。それでも先生のアドバイスに従って、部員全員と1対1で話し合いの場をもち、私は大会に出場するという結論を導きました。部員全員が納得してくれたと思います。結果的に全国出場を逃してしまいましたが、チームとして最高の思い出を残すことができました。

みんなの気持ちがそろった時に発揮される力。

先生が私たちに伝えたかったこと、それは安易に答えを求めるのではなく、どのように考えたかというプロセスにこそ価値があるのだということだと思っています。予選大会への出場を決めた後の練習は、誰一人やらされているという受け身な姿勢ではなく、みんなが自主的に前向きに練習に取り組むことができました。練習メニューも、練習スケジュールも自分たちで決めました。この時以上に、みんなで支え合い、力を合わせ、ひとつの演技に取り組めたことはありません。
今、私は心理学を学んでいます。まだ、将来の夢は決まっていませんが、具体的な目標が決まったら先生のところへ報告に行きたいと思っています。

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