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同窓生インタビュー

名古屋市立大学病院で管理栄養士として活躍する菱田 朋香さんにお話を伺いました。

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取材日:2016月12月15日

「栄養」という言葉の大きさを知った

名古屋市立大学病院で管理栄養士として、入院患者に関わる栄養管理や食事提供、 入院・外来患者の栄養食事指導を行っています。

管理栄養士になりたいと思ったのは高校生の時です。幼い頃から料理が好きで、食べることも好きでした。「好きなことを活かして人の役に立ちたい」と考え、食を通じて健康を支える管理栄養士に興味を持ちました。最新の大量調理施設による給食経営管理実習を学ぶことができ、更に臨床栄養分野に力を入れていた東海学園への入学を決めました。

栄養に興味を持ったきっかけが調理でしたので、解剖生理学や生化学といった授業は新鮮でしたね。「栄養」という言葉の大きさを知り、管理栄養士になるためには幅広い知識が必要だと実感しました。管理栄養士を目指して、毎日1限から5限まで徹底的に学ぶ日々。とにかく実験・実習が多いことに驚きました。臨床栄養臨地実習では、実際病院で患者さんへの栄養指導を行いました。入院・外来栄養食事指導を体験でき、病院で働く管理栄養士への憧れを一層強くしたことをよく覚えています。大学時代の4年間、くじけることなく続けられたのは、熱心に指導してくださった先生と、同じ目標に向って切磋琢磨した仲間がいたからです。

信頼を築き、何でも話しやすい環境を作ること

名古屋市立大学病院は、高度で専門的な医療を担う急性期の病院のため、疾患も様々です。治療による副作用で味覚障害があり何を食べても苦味を感じる患者さんもいます。食事が進まない患者さんもいます。私たちにとって楽しみなことも、このような患者さんにとっては苦痛です。食べた?調子はどう?と毎回聞くと、食事が心理的なプレッシャーとなってしまいます。食べやすい食品やその形態などを患者さんから聞き取りながら、食事内容を少しずつ提案していきます。食事の話だけでなく、趣味の話などでコミュニケーションを取りながら、少しずつ心を開いていただき信頼を得ること、何でも話しやすい環境を作ることが大切だと思います。患者さんの状態は日々変化します。その変化に応じて医師や看護師、薬剤師などの多職種と協力しながら、よりよい栄養管理を目指しています。

ある外来の患者さんは、日常生活が昼夜逆転していました。朝に起きることができないから規則正しく1日3食を食べられないという悪循環でした。まずは生活習慣を整えることから栄養指導が始まります。最初から一方的に指導を進めようとはせず、患者さんにとって継続しやすい方法を一緒に考えながら指導するようにしています。

管理栄養士が協力し合い、ともに成長できる環境を

これなら食べられるかな?あれならどうだろう?と試行錯誤して、「食事が食べられるようになった」「一人では難しかった食事療法ができるようになった」という話を聞くと本当にうれしいですね。食事療法を継続できなければ病状を悪化させてしまうかもしれません。食べることは生きるためになくてはならないことです。患者さんの病気のこと、体調のこと、心のこと、さらにはご家族のことなどを考えながら、これからも口から美味しく食べることの支援を行っていきたいと思います。

現在、医療に限らず、保健、福祉、教育、ビジネス、スポーツなど様々な分野で管理栄養士の力が求められています。同窓生のネットワークも含めて、様々の分野の管理栄養士が協力し合い、情報を共有し合い、ともに成長できるような環境を築いていきたいと思います。

菱田さんから臨床栄養分野を目指す後輩の皆さんにメッセージ

管理栄養士にとって病院への就職は狭き門と言われます。私は大学卒業後、大学で調理学実習や臨床栄養学実習などの助手をしながら、臨床栄養に関する知識を深めました。委託給食会社などに就職して、経験を積みながら時機を待つという人もいます。皆さんが希望する分野で、それぞれの力を発揮できることを願っています。