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人に対する印象はどのように決まるのか?

2018年10月01日心理学部

私たちは他者に対して,いろいろな印象を持ちます。それらの印象形成のメカニズムを検討しているのが「対人認知」の研究です。今回は社会心理学で研究されている対人認知についてお話ししながら,人に対する印象がどのように出来上がるのかを考えてみましょう。

対人認知は日常の経験に照らし合わせて考えると,初対面の人に対して形成される「第一印象」に関するものと,相手のことをある程度知ってから保持される「印象」と大きく2つに分けられるでしょう。今回は,私たちは初対面の人に対していだく「第一印象」を考えてみます。

よく「第一印象はとても大切」と言われます。確かに入学試験や就職活動などの面接は第一印象が重要ですし,お見合いや合コンなどでも同様です。ただ,私たちが初めて出会った人に関する情報をあまり持っていないのに第一印象を形成することができるのは,印象形成に関する心のメカニズムを人間が持っているからです。これらのメカニズムにはいろいろとありますが,ここでは代表的な2つについてご紹介いたします。

1つ目はステレオタイプです。これは職業や性別,人種などによってイメージされる偏見のようなものだと考えてください。たとえば,あなたが女の子だとして,友達から「今度,合コンに行かない?」と誘われたとしましょう。そのときに,誘ってくれた友達が「今度の合コンの相手は公務員」と教えてくれた場合と,「今度の合コンの相手は体育会系の大学生」と教えてくれた場合では,まだ会ってもいない合コン相手に対するイメージがかなり違うでしょう。「公務員って真面目そう」とか「体育会系の大学生は元気でさわやかそう」などと考えてしまうかもしれません。公務員には真面目な人が多いかもしれませんが,すべての公務員が真面目というわけではありませんし,これから会う合コンの相手が真面目である確たる証拠もありません。しかし,私たちは職業から連想される印象をその個人に当てはめて考えてしまう傾向があるのです。

2つ目は,性格と外見(とくに容姿・容貌)との誤った関係に関する思い込みがあるものです。これを「暗黙裡の人格理論」と呼んでいます。たとえば,初対面だと,目と眉がキッとつりあがっている顔つきをしていると「怖い人だ」と感じてしまったり,太っている人だと「ノンビリしていて人当たりが良さそう」と感じてしまったりすることがあります。人の容姿・容貌と性格との間にはほぼ関連はありません。しかし,私たちは直感的に「この顔つきの人はこういう性格だ」と思ってしまう傾向があります。同じように「美人は性格が悪い」と言われたりもしますが,性格と外見の間には関連がないのですから,これも正しくないでしょう。

以上のように,私たちは様々な心のメカニズムによって第一印象を形成していますが,必ずしも正しいとは言えません。慎重に他者のことを判断するような習慣を持つようにする必要があるのではないかと思います。