研究所設置の目的
東海学園は明治21年(1888)に、浄土宗の僧侶の養成機関として産声を上げました。その後、浄土宗の教えに基づく仏教精神を継承して、東海中学・東海高校・東海学園高校・東海学園大学を擁する学園として発展し、多くの有意な人材を輩出してきました。その人材養成の根幹には、本学園の「学祖」である椎尾辨匡先生の「共生」の思想、すなわち、あらゆるものとの繫がり(縁起)を大切にして、明るく、正しく、仲良く生きることがあります。
本学園は、なすべきこと、そのことに誠実に継続努力することを惜しまない人間の養成、共に生かし生かされているいのちに目覚め、社会に貢献できる人材の養成を行ってきました。この精神は人として生きていく上で最も重要なもので、椎尾辨匡先生は「時はいま ところ足もと そのことに うちこむいのち 永久の御命」と詠んでいます。
あらゆるものが関わりの中で生かしあう、自らの生き方が同時に他者の生き方にとって必要にして意味のあるものであろうと心がけていく生き方が今日ほど求められている時代はないでしょう。
本研究所では、こうした建学の精神の昂揚と人材養成に応えていくために、仏教思想をはじめ、浄土宗の開祖、法然上人の思想、さらには椎尾辨匡先生の思想・事跡の研究を中心とした活動を進めています。 また、私学の建学の精神は教育の場で一層深められ展開されなければならないと考えます。人材養成にとって教育は最も重要です。「共生」の精神の理解、「勤倹誠実」な人材を養成する教育のあり方を研究する意義は大きく、本学にとっても最優先の研究事項であります。
これら各学問分野の研究と教育のあり方を研究することを一体として取り上げ、かつ、社会との連携を考慮して、研究所の活動の柱とするところに本研究所の設置目的・特色があります。
研究所の事業内容
「共生」への理解を深め、有意な人材の輩出に貢献する
本学の人材養成の根底には、教育の理念「共生」と建学の精神「勤倹誠実」とがあります。これらの思想をより深く理解し、さらに発展させていくために、各学問分野における「共生文化」や教育のあり方について研究し、さまざまな事業を展開しています。
(所長) 中御門 敬教
- 椎尾辨匡先生の「共生」思想の研究
- 諸科学における「共生文化」の研究
- 共生教育の具体的方法の開発
- 共生教育に資する出版物の発行
- 自校史に関する資料の収集と教育方法の開発
- 研究所紀要『共生文化研究』などの出版物の発行
- 宗教行事などの企画、立案及び実施体制の構築
- 研究会、講演会などの開催
- 浄土宗や他の機関などと共同して行う関連事業
など