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心理学部
2018.12.12

今年の目標

12月になり,今年一年もいよいよ終わりが近づいてきました。みなさん,今年の初めに立てた目標は達成できましたか?しっかりと目標を達成することができた人やあと少しだった人,達成まで程遠い人などさまざまだと思います。目標を達成することができた人とそうでない人の違いはどこにあるのでしょうか?今回は,目標達成の結果を左右する目標の立て方について少しお話したいと思います。

普段目標を立てるとき,みなさはどのような方法を用いて目標を立てていますか?「目標なんだから大きく立てなきゃ!」と考えて,達成できれば良い結果がついてくるものの,その道のりはとても険しく,簡単には達成できそうにない目標を立ててしまっている人がいるのではないでしょうか。大きな目標を掲げることは悪いことではありません。しかし,達成されなければどうでしょうか。そうならないために目標を立てるときには,①最終目標を設定する,②最終目標に到達するために簡単なものから段階的に,③そして具体的に立てることが大切になります。また,自分自身の準備段階について理解することも目標設定のポイントになります。この準備段階には,行動を変える気がない「無関心期」,関心はあるが準備はまだの「関心期」,行動を変える準備を整えた「準備期」,新しい行動を実行する「実行期」,行動を定着させる「維持期」の5段階があり,それぞれの準備状態によって立てる目標と実行する内容が異なります。関心があるだけの状態と準備が整っている状態では立てる目標も変わりますよね。

「来年こそは目標を達成させるぞ!」と考えている人は,これら4点を意識して来年の目標を立ててみてください。もちろん「来年も!」と考えているみなさんも含め新しい一年がより良いものになることを願っています。
 
※Transtheoretical model(TTM):もともとTTMは,行動変容を目指す健康教育のためにProchaskaとDiClementeによって開発されたものであり,現在ではさまざまな領域で実践されています。

臨床心理学 樋町美華