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こころを生み出す脳

2019年05月31日心理学部

こころというのはどこから生まれるのでしょうか。現代では,多くの人が「脳」と答えるように思います。そう,こころをよく知るためにはその乗り物である身体のことをわかっていなければいけません。生理心理学では神経や脳,さらには心臓血管系や内分泌系までさまざまな生体システムとこころとの関わりを勉強していきます。今日はこころの中心的な装置である脳についてお話していきます。
 
成人男性の脳の大きさは,片手を大きく広げてすっぽり入るくらい。生理心理学の授業では,実物大の模型を持った学生さんの多くが「思ったより小さい」とコメントしてくれます。そんな小さな脳ですが,見た目に反してその重さは約1400g,ペットボトル1.5Lと同程度といわれています。ここに約千数百億個もの神経細胞がぎっしり詰まっており,お互いに電気信号を発し情報伝達をすることで,脳は活動しています。
 
脳の活動には,当然たくさんのエネルギーを要します。一日に2000kcalを消費した場合,そのうち20%の400kcalは脳の活動が消費しているといわれています。400kcalを電力に換算すると20W。炊飯器を保温にしておくのと同じくらいです。電気代はなんと1日約10円。10円の電気代で私たちの脳は一日動いているのです。
 
たった1400gの脳というただの物体から,炊飯器を保存するときと同じくらいの消費電力で,私たちは新しいことができるようになったり,好きなひとと話して喜んだり,はたまた好きすぎて憎らしくなるなんて自分でもよくわからない気持ちまでもが生まれてくるのです。心理学の対象である「こころ」というソフトウェアだけでなく,その基盤である「脳」という装置について学べば学ぶほど,私たち生物ってうまくできてるなぁとその精巧なつくりに感心してしまうのです。
 
参考図書/池谷裕二(2007). 進化しすぎた脳―中高生と語る[大脳生理学]の最前線 講談社