キャリアサポートプログラム(CSP)

Power The Future

「東海の力」をわたしの力に。

Vol.1東海学園大学キャリア開発センター 座談会

未来に羽ばたく先輩たちと学長からの心に響くメッセージ

「東海の力」に支えられて管理栄養士の夢を実現。

人生の新たなスタートに向けて、
4月から社会人となる皆さんと人生の大先輩である学長との座談会を開催。
「生かされて生きる」とは──
未来に羽ばたく先輩たちと学長からの心に響くメッセージ。

  • 東海学園大学学長 松原 武久 学長

    東海学園大学学長 松原 武久 学長

  • キャリア開発センター長 経営学部教授 伊藤 久司 教授

    キャリア開発センター長
    経営学部教授 伊藤 久司 教授

  • 経営学部経営学科2020年3月卒 冨成 琳さん

    経営学部経営学科2020年3月卒
    冨成 琳さん

  • 健康栄養学部管理栄養学科2020年3月卒 倉田 葉月さん

    健康栄養学部管理栄養学科2020年3月卒
    倉田 葉月さん

  • スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学科2020年3月卒 中込 大介さん

    スポーツ健康科学部
    スポーツ健康科学科2020年3月卒
    中込 大介さん

  • 人文学部人文学科2020年3月卒 水越 智基さん

    人文学部人文学科2020年3月卒
    水越 智基さん

  • 教育学部教育学科2020年3月卒 和田 鮎奈さん

    教育学部教育学科2020年3月卒
    和田 鮎奈さん

  • 教育学部教育学科2020年3月卒 髙木 玲花さん

    教育学部教育学科2020年3月卒
    髙木 玲花さん

テーマ1これからの進路と職業観

センター長
4月から社会人としてスタートするにあたって、就職後の不安など学長に聞きたいことはありますか?
冨成さん
名古屋市消防局の消防官になります。将来はハイパーレスキュー隊に所属するのが目標です。消防官は人の命を預かる仕事で一つもミスは許されないし、チームワークも大切です。また、名古屋市の職員として市民と交流できる消防官を目指しています。これからは責任を持って職務に取り組まなければならないと肝に銘じていますが、学長から何かアドバイスなどいただけますか?
学長
私は60歳から72歳まで名古屋市長を務めました。名古屋市消防局は24時間体制で市民の安全を守ってくれる心強い存在でしたね。職務に精励しなければならないのが消防官です。ハイパーレスキュー隊を目指しているとのことですが、まずは基礎体力をつけて、自分が健康でなければ人の命は救えないですからね。
倉田さん
ANAケータリングサービスで機内食のメニュー開発や製造に携わります。旅が好きで旅を通して機内食の存在を知るようになりました。管理栄養士として、いつか自分が企画した機内食メニューを開発したいと思っています。
学長
良いですね。ぜひ倉田さん監修で、飛行機の旅が楽しみになるような機内食を開発してください。
中込さん
岡崎市役所の職員として街づくりに携わりたいと思っています。これまで16年間、サッカーを続けてきたのですが、一つのことを極めたスペシャリストになるだけでなく、多くのことに挑戦してゼネラリストになりたいという思いが強く、幅広い職務を経験できる市役所を志望しました。公務員としての対応力をどのように身につければ良いかアドバイスが聞きたいです。
学長
まずは「なるほど」と相手の意見を聞くこと。しかし、市民からの意見の中には「部分最適」。つまり自分やある特定の地域にとって都合の良い意見があるんです。行政は「全体最適」を考えなければなりません。少しずつ相手を説得し、納得してもらうようにすることで解決策も見えてきます。
水越さん
愛知県警察の警察官として県民の皆さんの安心・安全な生活を守りたいと思っています。警察官になろうと思ったのは、身内が犯罪まがいの行為に巻き込まれた時に、親身な対応で助けてくれたのが警察署で、困っている人を救いたいと考えたことがきっかけです。警察というタテ社会を乗り切るコツがあれば教えてください。
学長
専門性を持つことですね。警察や消防ではトップダウンでの判断や指示が必要な場合があるため、組織人としての自覚が必要です。その中で「これは水越でなければ」と立場を認められることで、使命を持って職務に取り組めます。
和田さん
岐阜県の小学校教諭として採用されました。剣道部の先生の影響を受けて小学校教諭になろうと決めたのですが、先生との出会いで子どもの歩む人生が変わると感じています。自分に出会って良かったと子どもたちに思ってもらえる教員を目指しています。学長が教員になった時はどんなことを考えていましたか?
学長
和田さんは、私が教員になった60年前に比べるとはるかに上をいっています(笑)。板書で漢字をよく間違えて、そうすると子どもたちが正しい漢字を覚えて先生に教えてやろうとがんばるんですね。子どもたちに助けられたというのが正直なところ。私が大切にしていたのは、朝のあいさつです。朝一番に子どもたちの名前をフルネームで呼び、「はい」という返事を聞いて、弾んだ声かどうか、困ったことがあるかどうか、毎日の変化を記録して、一人ひとりのカルテを作っていました。担任になるなら、まずフルネームで子どもたちの名前を覚えることからですね。
髙木さん
「生まれ育った長久手市で保育士になる」という子どもの頃からの夢がかない長久手市の保育士になります。就職するかもしれない保育園でアルバイトやボランティアをしているのですが、この便利な社会で子どもたちのために大切にしなければならないことはなんだろうと考えるうちに、少しずつ自分の保育観のようなものが生まれきて。特に北欧では禁止されている「0歳児保育」などについて、保護者との気持ちのズレをどのように解決すれば良いか不安です。
学長
子どもの教育の背景には親がいるので、親を教育するしかありませんが、親は高木さんより年上の場合が多く、経験も豊富です。その相手に説教をするのは正直、無理でしょう。子どもは大人が言うようには育たず、大人がするように育ちます。大人が嫌だ、面倒だと思う気持ちを子どもは敏感に感じます。子どもの気持ちを考えて接することで、子どもに伝わり、親に伝わり、気持ちのズレが少しずつでもなくなるように。周囲の大人から子どもへの影響力は大きいですからね。

テーマ2人生の目標

センター長
これからの人生の目標について、ひと言ずつ聞かせてください。
冨成さん
これまで何かを選択する時は、厳しい方を意識して選ぶようにしてきたことで、良い仲間に出会えたり、消防官になるという第一志望をかなえることができました。東日本大震災で救えるはずの命が救えなかったという現実に直面して、ハイパーレスキュー隊として事故現場や災害現場を経験し、最終的には防災に関わりたいと思っています。
倉田さん
20年後、30年後は想像できないのですが、まず目の前の仕事で、その道のプロになるという意識で一歩ずつ歩んでいきたいと思っています。
中込さん
私は人の心を動かせるような人になりたいと思っています。自分がいるだけで場の雰囲気が良くなったり、自分がいるから質の良い仕事になったり、自分に頼りたい、仕事を任せたいと思ってもらえるようになりたいですね。オンオフの切り替えもしっかりしたいです。
水越さん
周囲の信頼に応えられる人になること、正直であることを大切にしています。いろんなことに本気で向き合い、自分の本気が相手に伝わるような行動を心がけています。
和田さん
どこにいてもご縁を大切にしたいと思っています。これまで関わりのあった人のおかげで今の自分があると思っているので、出会った人を大切にできる人になりたいです。
髙木さん
どんなことにもすべて全力で取り組みたいと思っています。保育士としても、人間としても、自分の100%で生きたいです。
センター長
皆さん、それぞれにいろんな想いがありますね。目標を実現するために学長からアドバイスをお願いします。
学長
私が心がけていたのは、子どもが好きだから、子どもを大事にすることだけ。そのために一生懸命やるけれど、効率良くできるところは効率良くやるという考え方も必要です。オンオフの切り替えという話がありましたが、私も休みの日は仕事をしないようにしていました。心を病むほどエネルギーを消耗しては本末転倒ですからね。

テーマ3学生時代と後輩へのアドバイス

センター長
最後に学生時代に力を入れたことと、それを踏まえて後輩へのアドバイスをお願いします。
冨成さん
野球部で野球をがんばりました。スタメンで試合には出られなかったのですが、ベンチで腐ることなく、チームが勝つために自分ができることをやろうと思っていました。これからも自分の思い通りにならないことがあると思いますが、その場で自分に与えられた役割を果たしたいと思います。後輩に伝えたいことは、就職活動でも部活動でも、事前準備をしっかりしておくと心の持ちようが変わって、あわてずに対応できると思います。
学長
しっかりと裏方としてチームを支える経験は、消防官になってからも役立ちます。
倉田さん
旅行でいろんな経験をしました。学生時代にはたくさん時間があるので、いろんなことに挑戦したいと思っていました。趣味の旅行を通して機内食を知り、就職につなげることができました。アルバイトでも部活動でも、多くの人と関わって、いろんな経験をすることで気づくことがあると思います。
学長
旅を楽しむことは総合力が必要だから、全体をコーディネートする力がないと楽しい旅はできません。トラベルはトラブル。トラブルを解決することで人間力も育ちます。
中込さん
東海学生サッカー連盟で学生幹事として活動していました。他大学の学生をはじめ、監督やスポンサーと話す機会も多く、価値観が広がり、充実した学生時代を過ごすことができました。気になったことがあれば自ら行動し、自分を成長させることで、自分の中に光るものを見つけられると思います。
学長
連盟での活動を通してマネジメントを学んだことは市役所の仕事にも活かせますね。
水越さん
居酒屋でアルバイトをしていたのですが、やめていく人も多い中で4年間続けることで、「お前がいるから店が回せる」とまで言ってもらえて、自分に自信を持つことができました。就職活動については、情報交換をたくさんして、人脈を広げて、いろんな意見を聞くことが大切だと思います。
学長
居酒屋はクレームも多いし、段取りも必要で、店を回せるというのはすごい。やめずに続けたというところも良いですね。
和田さん
大学に入学して勉強についていけない不安があって、とにかく勉強して自分に自信をつけるしかないと思い、苦手な英語を克服するためにカナダに留学したり、小学校教諭になるという夢をかなえるためにボランティアで子どもたちとふれあう機会も作りました。後輩の皆さんにも、努力を忘れず、自分の魅力を磨いて、自信を持って進んで欲しいと思います。
学長
努力は大事なことです。努力の量に比例して獲得できるものがありますからね。
髙木さん
ボランティア活動をしている時、誰かに頼むより自分でやる方が楽だと思っていましたが、代表になってからは一人ではできないことが増えて、仲間から自分たちに頼って欲しいと言ってもらって素直に頼れるようになりました。就職活動中も困ったことがあれば友達や先生、キャリア開発センターに相談するなど、周囲と協力して物事を進めることの大切さがわかりました。一人でがんばるのではなく、みんなでがんばるんだという気持ちで行動すると良いと思います。
センター長
「公務員サポートプログラム」や「教職サポートプログラム」など、企業や地域の自治体と連携した支援プログラムも用意しています。私たちキャリア開発センターに蓄積されたノウハウを活用していただければと思います。
学長
会社説明会に出席して、同じ目標に立つ就活生の顔を見る、企業の説明を聞くというのは、いくつもの知恵が蓄積されて、大きな経験値になります。
センター長
最後に学長から本日の総括をお願いします。
学長
人生80年、100年と言いますが、先のことは考えなくても20年はすぐ過ぎます。目の前のことに対して、自分の心が怠けたな、ズルしたなと思わない範囲で努力をする。ズルしたなと思うと自分の心を傷つけてしまいますから。努力を怠って落ち込まない、自分を責めない、そうすれば良い出会いがきっとあります。それは、人生の伴侶であり、助言をくれる先生であり、見守ってくれる友や同僚であり、良い出会いが人生を変えていきます。それが「生かされて生きる」ということ。自分で人生を切り開き、自分で生きているつもりで、実は多くの人の縁に導かれて生かされているんです。これからの人生のために、自分の心に恥じない努力を続けてください。
センター長
本日はありがとうございました。4月からの経験をまた大学に話しに来てください。

座談会の撮影には、東海学園大学の放送部TBCが参加協力いたしました。