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2025.05.21

東海学園大学 学生向け「生成AI活用ガイドライン」について

1. はじめに
近年の急速な技術革新によって、文章や画像を自動生成する「生成AI(Generative AI)」が広く利用されるようになりました。大学でも、学修・研究や日常生活で生成AIを活用する学生が増加していることが報道されています。一方で、生成AIは情報の正確性・著作権・プライバシーなど、様々なリスクや課題を伴う技術でもあります。
東海学園大学では、文部科学省が2023年7月13日に示した指針や社会的な変化を踏まえ、「正しく活用できるリテラシー」を身につけることを推奨します。そこで、本学が進める「全学的な生成AIリテラシー向上プロジェクト」の一環として、学生の皆さんが安心して生成AIを活用できるよう、以下のガイドラインを策定しました。
※「大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについて」、令和5年7月13日

2. ガイドラインの目的
  1.学問的誠実性(Academic Integrity)を維持しながら、学修・研究において生成AIを適切に活用できるようにする。
  2.AIの利用にともなう著作権や個人情報、誤情報などのリスクを理解し、適切な対処ができるようにする。
  3.大学として「生成AIを一律に禁止」するのではなく、「正しい活用方法を身につける」ための環境整備を促進する。
 

3. 基本方針
3-1. 学問的誠実性の確保
  ●レポートや論文、プレゼンテーションなどの課題において、生成AIによる成果物をそのまま提出することは厳しく制限されます。課題提出の最終責任は、あくまで提出者本人にあることを認識してください。
  ●生成AIから得た内容を引用・参照する場合は、「生成AIで生成した」旨を示すなど、利用したことがわかるようにしてください。また、生成AIが参照・引用した元の情報源も含めて出典を明示する必要があります。
3-2. 生成AI利用の申告
  ●科目担当教員の指示により課題やレポートで生成AIを使用した場合は、「どのように・どの範囲で生成AIを活用したか」を、科目担当教員が指定する形式に従って明確に記載してください。
  ●シラバスや授業内で生成AI利用に関する特記事項が示されている場合は、教員の指示に必ず従ってください。
3-3. 著作権・倫理・プライバシーへの配慮
  ●生成AIに入力する文書や画像に他者の著作物(書籍・論文・イラストなど)が含まれる場合は、著作権侵害にあたる可能性があります。無断での入力や使用は避けてください。
  ●個人情報や機密情報(研究データなど)を生成AIツールに入力する際は、サービスの提供元にデータが保存・蓄積されるリスクを十分に理解し、慎重に取り扱う必要があります。
3-4. 誤情報(ハルシネーション)への注意
  ●生成AIが生成する文章や回答の正確性は保証されていません。必ず複数の情報源で事実確認や裏付け調査を行い、内容を検証することを心がけてください。
  ●生成AIの生成結果を鵜呑みにして学修や研究を進めると、誤った知識や結論に至る危険性があります。
3-5. 全学的生成AIリテラシー向上プロジェクトとの連携
  ●東海学園大学では、「全学的な生成AIリテラシー向上プロジェクト」を通じて、今後、学生や教職員に向けたワークショップやセミナー、ガイド資料の整備などを行っていきます。
  ●生成AIの活用に関する疑問や相談がある場合は、「生成AIリテラシー向上プロジェクト」事務局や教務課など、学内で用意される相談窓口を積極的に活用してください。


4. 学生の皆さんへのお願い
1.主体的な学修を大切にする
生成AIはあくまで補助ツールであり、最終的な学びの成果は自分自身の思考や工夫で決まります。便利さに頼りきらず、批判的思考を養う意識を持ちましょう。
2.授業で生成AIを使用する場合、科目担当者の指示がある場合などを除いて、有料版や課金に誘導する無料版は使用しないでください。また、IDやアカウントの作成には、大学のパスワードを使用しないようにしてください。
3.トラブル回避のための安全策
重要なデータや個人情報をむやみに入力しない、生成物をそのまま転載・転用しないなど、自身で防げるリスクには積極的に対処してください。
4.レポートや論文の提出時はポリシーを確認
科目担当教員が独自の利用規定を定めている場合があります。シラバスや授業内アナウンスをよく確認し、必要に応じて利用状況や引用箇所を開示してください。
5.疑問や不安は相談を
本ガイドラインや各授業の方針について不明点がある場合は、遠慮なく教員や教務課、あるいは「生成AIリテラシー向上プロジェクト」事務局へ相談してください。

 5. ガイドラインの見直し
本ガイドラインは、技術の進歩や社会情勢、文部科学省などの通達や法令改正に応じて、随時見直し・更新を行います。最新版は大学公式サイトや学内ポータル等で確認してください。
 

以上が、東海学園大学が目指す「生成AIを正しく活用するためのガイドライン」です。社会の急激な変化に対応しつつ、学問的誠実性とリテラシーを高める努力を共に続けましょう。
 
令和7年5月21日
東海学園大学 学長 石川 清